この記事をシェアする

重要事項説明のITの活用について時系列まとめ

皆さんは2015年から、重要事項説明にITを活用していこうという社会実験がスタートするという動きをご存知ですか?

こういった動きがスタートした背景としては、2013年12月、政府のIT総合戦略本部でIT利活用の裾野拡大のための規制制度改革アクションプランが決定され、不動産取引における重要事項説明や契約書面の交付について、インターネットなどのITを活用できないか検討することとなりました。

そして、国土交通省はインターネット等を利用した対面以外の方法による重要事項説明等について「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」を設置。2014年4月24日に第1回が開催され第5回まで開催されています。(執筆時2014年12月23日現在)

ここでは、第1回から第5回までで検討、公開されている内容をまとめていきたいと思います。

格安の賃貸管理ソフト、リドックス(ReDocS)-すぐに使える不動産管理システム

第1回検討会 (2014年4月24日)

第1回検討会の概要

第1回検討会で議論された内容のポイントについては以下の通りです。

  • 検討会発足の目的や設立の背景について
  • 重要事項説明や37条書面についての説明や制度成立の経緯について
  • ITを活用するメリットとデメリット
  • ITを活用するための留意点について
  • 2014年5月から開始(本ブログ執筆時、実施済み)する実証実験についての説明

第1回では検討会発足の目的や概要、各委員からの意見の発表が行われました。その中でのメリットやデメリット、導入あたっての留意点について議論されたポイントをまとめています。

IT活用によるメリットについて

  • 物理的な移動が省けるため、利便性が向上する。
  • 利便性の向上に伴い、不動産取引の活性化が考えられる。
  • 説明の履歴などが残せるため、説明事実の保全になる。
  • 内容の理解には、対面よりもテキスト(文字)の方が理解度が高いという研究もある。

IT活用によるデメリットについて

  • テレビ電話(Skypeなど)を通して本当に相手の人柄等がわかるのか
  • なりすましなどの本人確認が難しいのでは。
  • 取引主任証の偽造や名義貸しが横行するのではないか。

IT活用を導入するにあたっての留意点について

  • 消費者のITのスキルやリテラシーには、かなりばらつきがある
  • 募集時の広告の表示の方法などの法規制について。
  • 取引が「売買」か「賃貸」か。対象が「個人」か「法人」かで分けて議論したほうが良いのでは。

第2回検討会 (2014年6月4日)

第2回検討会の概要

第2回検討会で議論された内容のポイントについては以下の通りです。

  • 2014年5月24日~2014年5月30日に実施された実証実験の結果発表について

第2回では一般募集モニター15人に対する実証実験の結果についての発表と各委員からのプレゼンテーションが行われました。

実証実験の結果について

  • 対面と非対面(モニター越し)での理解度において差は見られなかった。
  • 非対面では図面などの細かい図や文字が見にくい。
  • 表情の見やすさや質問のしやすさ、安心感などが対面に比べて非対面は劣る。
  • 説明者側でも説明がしづらく、相手の理解度や状態がわかりにくいと回答。
  • 非対面の場合に応じた資料の作成や配慮が必要。
  • 対象者・説明者共に非対面での場合、疲労感を感じた
  • システムが落ちた場合など不安感がある

実証実験の結果を受けて、対面と非対面で理解度に違いは少ないという点で非対面での重要事項説明に有効性はあると考えられるが、「資料が見づらい・説明しづらい」「表情が読み取りにくい」「PCスペックへの留意」「ネットワークが落ちてしまったときの対応」などの課題が見つかった。
また、「重要事項説明書のフォーマットの統一」や「インターネットセキュリティの検討」なども今後の議題のポイントとしてあがった。

第3回検討会 (2014年6月26日)

第3回検討会の概要

第3回検討会での中心は中間とりまとめ案の発表と、その内容についての意見交換となっています。その中で議論されたポイントをまとめました。

  • ITを活用するとなるが、機材の準備や仕組みの勉強が必要となる。その中で、みんなで「いっせいのせ」でスタートするのか、できる業者から実施していくのか。
    →最終の取りまとめに向かってこれから議論していく内容としましょう。
  • ITの活用とはSkypeやメールなどだけに限らず色々な方法がある。ここではツールは限定せず、もっと様々な角度から検討していく方がいい。
  • 現状としてトラブルの多くは重要事項説明に関連したもので発生している。発生したトラブルがITを活用・導入が起因したものだと判断することは難しい。
  • ITの活用によって大きくメリットが期待できるのは、遠隔地における取引と考えられる。とあるが、IT活用のメリットはその部分に限られないと思うため、当面の検討対象を絞ることには賛成できない。
    →まずは需要が多く、ダメージの少ないところから検討を進めて全体の取引に対して重要事項説明のあり方を考えていく方向で進めていきたい。
  • IT導入に関してネガティブな意見もあるが、IT活用によって今よりトラブルを減らすことができるとも考えられる。

今回出てきた意見を加筆・修正したものを中間取りまとめ案とし広くて公開して意見を募集する。次回は、集まった意見についてやより実務に落とし込んだ内容の議論を進めていく。

第4回検討会 (2014年10月1日)

第4回検討会の概要

第4回検討会では、7月に発表した中間とりまとめについての意見募集結果の報告と最終とりまとめに向けた検討の方向性についての議論が行われた。以下は意見募集結果の一例です。

  • 集められた意見は推進派・慎重派の意見が混在している状況だが、慎重派の中にも「取引類型の一部については認めてもよい」や「いくつかの条件をつければ進めてもよい」などの意見もある。対して全面的にネガティブな意見も投稿されている。
  • 取引類型の一部から段階的に試行し、検証を行うべき。
  • 主任者のなりすまし等によるトラブルの増加が懸念される。
  • 記録を残すことで、消費者の理解度向上やトラブル防止に寄与できる。

これらの意見を踏まえて、いきなり本格運用と行くのではなく一定期間(1〜2年間)の社会実験を経た上で検証というプロセスが提案された。議論についてのポイントや留意点は以下の内容です。

  • 1〜2年の検証期間とあるが、期間が長い印象を受ける。
    →賃貸の場合は大体2年契約が主なので、トラブルは退去する際に発生することが多いためこの程度の期間は必要であると考えている。
  • 今回は賃貸の社会実験のプロセスだが、売買に向けてのプロセスが不明確である。
  • 賃貸契約の損害の程度が比較的小さいとあるが、賃貸借期間は長いため損害が小さいと言うのは妥当なのか。
  • 事前送付した重要事項説明書を見ながら、skype等で重説を行うことを認めてもよいのではないか。
  • ITを活用した重要事項説明は強制的なものではなく消費者と事業者の両方に選択の自由があることが、前提である。
  • 社会実験を行う事業者を絞ったり、様々な条件を付与する必要があるのか?
    →登録事業者を絞るという点については、物理的に許容できるような範囲という意味合いであり、条件についても固定化されるものではなく、大丈夫だったら、その条件を外していくというプロセスを検討していく意味合いである。
  • IT活用をするかしないかの議論ではなく、それをどう活用していくかに議論の焦点を向けていけたらいいのではないかと考える。

第5回では、第4回検討会で出た内容を取りまとめ、重要事項説明のあり方の方向性を再検討することとなった。

第5回検討会 (2014年11月28日)

第5回検討会の概要

第5回検討会では、2015年からの実施が決まった、賃貸契約・法人間取引でのIT活用の社会実験を行うにあたり、重要事項説明についの確認や社会実験の検証項目や、課題点について意見交換を行われました。

  • 社会実験のスケジュールとしては、2014年12月25日に最終取りまとめを行い、2015年よりスタートする。社会実験の期間は最大2年とし、6ヶ月程度の準備期間を含むとされている。
  • 検証項目としては「取引のあり方がどう変化するか」「費者の理解度がどのように変化するか」「トラブルの発生状況がどうなっていくか」という3点が検証点としてあげられている。
  • 社会実験は登録制で実施するのか
    →基本的には登録を前提に考えている。現在、登録の具体的な要件や上限を設けるか設けないという点など検討中。
  • 賃貸の契約は2年契約が多く、実験期間が2年であると、契約が終了していない場合がある。賃貸のトラブルは賃貸借契約解除の時に問題が起きるので、契約後2~3カ月後を見るも入れての実験を提案。
  • 実験実施にあたっての消費者への通知や業者に対する機器の説明や案内などはどのように考えているのか?
    →周知に関する予算は(国交省)用意していない。事業者の協力によって行ってもらうことを考えている。
    →それでは、実験期間に評価できるだけのサンプルが集まらない可能性もあるのでは?
    →suumoやHOME’s、アットホームなどの不動産サイトに掲載を依頼する方法も考えられる。

まとめ

2015年から6ヶ月間程度の準備期間後、ITを活用した重要事項説明の社会実験が実施される。実施についてはITを活用した重要事項説明を行う事業者は登録を前提とされる。実際の取引の際に実施するか否かについては、事業者と消費者の双方の合意のもと実施されることとなる。

また、社会実験における事業者の責務は

  1. 相手方にインターネットを活用した重要事項説明について同意確認書の返送を求めること
  2. 同意確認にあたっては、対面・ITかを選べること、録画・録音されること、事後にアンケートがあることを明確に示すこと
  3. 録画については、消費者の写った画面とワイプ画面(主任者側が写った画面)の両方を録画すること
  4. 重要事項説明後、契約時と契約から半年後の2回消費者に対してアンケートを行い、回答を報告する事

等があげられている。

ITを活用した重要事項説明は「解禁」ではなく、あくまで「実験」として執り行われ、今回の実験の結果をもとに法改正や本格運用となる。

【参考サイト】

ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会

このブログはクラウド賃貸管理ソフトのReDocS(リドックス)が運営しています。

banner2

はじめませんか?
クラウドで賃貸管理

リドックスは賃貸管理の
実務経験者が開発しています。

リドックスは、賃貸管理会社で実務経験のある社長が作った賃貸管理ソフトです。
同じ賃貸管理の業務に従事していた人間だからこそ分かる視点で作った、賃貸管理をラクにする為のソフト、それが「リドックス」です。
リドックスは賃貸管理に関するお役立ち情報やソフトの便利な活用方法をメルマガでも配信しています!

リドックスについて詳しく見る 無料メルマガ登録はこちら

NO IMAGE
この記事をお届けした
クラウド賃貸管理ソフト - リドックスBLOGの最新ニュース情報を、
いいねしてチェックしよう!

この記事をシェアする