口約束でも賃貸借契約は有効?賃貸管理における契約書の重要性

部屋を貸す時には契約書を作成してお互いに取り交わすのが一般的ですが、口頭で契約締結を行った場合はどうなるのでしょう?

賃貸借契約は口約束でも有効?

口約束だけで賃貸借契約書を締結しなかったけど、この契約は有効?」

  • 友人に部屋を貸す時
  • 昔ながらの付き合いで部屋を貸す時
  • 相続で引き継いだから契約書なんてない

部屋を貸す時には契約書を作成してお互いに取り交わすのが一般的ですが、上記のようなケースでは口頭だけで契約を完結させている場合もあります。

今日は、そんな「賃貸借契約について」について解説していきたいと思います。

口約束だけでも契約は有効に成立するの?

築年数が経っている物件や何十年も入居してもらっている方がいるようなアパートやマンションを賃貸管理していると、「契約書がない」といったケースに遭遇する場合があります。そもそも、「契約」とはどのような意味なのか見てみましょう。

【契約とは】

契約とは、二人以上の当事者の意思表示が合致することによって成立する法律行為のこと。
合意のうち、法的な拘束力を持つことを期待して行われるもののことで、特に雇用・売買・所有 等々に関して行われるもの。

参考URL:契約 - Wikipedia

次に賃貸借契約についての言葉の意味を見てみます。

【賃貸借とは】

賃貸借とは、当事者の一方(貸主、賃貸人)がある物の使用及び収益を相手方(借主、賃借人)にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することを内容とする契約。日本の民法では典型契約の一種とされる

参考URL:賃貸借 - Wikipedia

部屋を借主に貸して住んだり利用することに対して、その部屋を利用する対価として賃料(家賃)を支払う約束のことを賃貸借契約といいます。

その部屋を利用して良いという利用許可と、利用することにあたって借主は家賃を支払う債務をお互いに約束するものとなります。
では、この賃貸借契約は契約書を作成してお互いに捺印しなければならないでしょうか?

口約束だけでも賃貸借契約は有効です。

結論としては、賃貸借契約であっても口頭で取り交わされた内容は有効に効力が発生します。つまり、契約書への署名捺印などがなくても契約は成立することになります。
そのため、以下のようなやりとりであっても賃貸借契約は成立しています。

借主:「この部屋50,000円で貸してください!」
貸主:「いいですよ。」

これは、契約更新の時などでも同様で「更新します」と意思表示があって貸主が合意した場合、更新合意書などを作成しなくても賃貸借契約は有効に更新されます。
※借地借家法上の定期借地権(借地借家法22条)や定期建物賃貸借(借地借家法38条1項)の設定については公正証書など一定の方式を取らなければならない場合があります。
※明らかに冗談だとわかることは「心裡留保」として契約が無効となるケースがあります。

よって、口頭でも賃貸借契約や更新合意は成立することから「契約書は作っていないけど、大家さんと約束した」と言われてしまうと契約書類がないことを理由に強く出ることは難しい問題です。
となると、何かトラブルになった際には「口約束で了解は取っている」「いやいや、そんなこと言った覚えはない」といったような泥沼の争いになってしまう懸念があります。

口約束は有効!でも契約書を残しておくことは重要です。

そのため、賃貸借契約を取りかわす際には契約書類を作成して、どんな約束をしたのかをきちんと記録として残しておく必要があります。これは、賃貸借契約時のみならず、更新や解約の際でも同様であり、大家さんと不動産管理会社間での賃貸管理業務委託においても同様のことを言えます。

口約束でも十分に契約は成立するということを十分に認識し、お互いの契約事項を見える形で残すため、言った言ってないのトラブルを回避するためにも契約書を作成して記録を保存しておくことが大切です。

もし「契約書がない」「更新合意書がない」といった場合でも、なんとかタイミングをみて覚書といった形でもお互いの契約事項を書面として残しておくことは賃貸管理を行う中での一つのポイントであると考えられます。

まとめ

ここでは、「口約束で行った賃貸借契約は有効なのか?」と「契約の成立要件」について解説していきました。

記事内でも触れているように、口頭(口約束)であっても契約は有効に成立します。
つまり、契約書の取り交わしの有無は契約の成立に対しては関係ありません。

契約書を作成する意味合いとしては、後から言った言わないのトラブルを避けるために、「どのよう内容について合意をしているのか」を明確にし、後から見た場合でも立証することができるようにするためです。
(つまりは、後々のトラブル防止の意味合いがあるということです。)

「更新料を免除します」「家賃を下げます」「入居審査OKになりました」といった言葉だけでも、それは双方の合意があれば成立するものです。
不動産管理業務を行っていると、そういった契約ごとに関わるシーンも多くあるため、正しい知識を持って対応を行うことが求められます。

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