不動産管理会社は知っておきたい家賃の口座振替・自動引落サービスに関するあれこれ

うまく口座振替・自動引落を活用することによって、家賃管理を自動化することができ、作業時間の短縮・ミスの防止を行うことができます。

不動産管理会社は知っておきたい家賃の口座振替・自動引落サービスに関するあれこれ

今日は、不動産管理ソフトを使っている・いないに関わらず家賃回収について関係性の深い「家賃の口座振替」について解説していきたいと思います。

口座振替とは

口座振替とは、収納代行の方法の一つで、預金者(賃貸の場合は入居者)が指定した金融機関の預金口座から、所定日になるとサービス提供者(収納代行会社)の金融機関の口座へ自動的に送金されるシステムのことです。
元々は電話料金の支払い方法として誕生し、今では公共料金の支払いからインターネット上ECサイトの定期決済など、様々なシーンで活用されています。
地域のよっては、自動振替(自振)などと呼ばれている場合もあります。

口座振替の「毎月決まった日に支払いをする」という性質から、賃貸物件の家賃支払いの際にも多く導入されています。
契約者からの支払いを待つのではなく、自ら口座振替を行うことによって積極的な家賃回収が可能となり、家賃滞納の減少や滞納督促の作業時間短縮などに繋げることが可能です。

口座振替をするメリット

アパートやマンションなどを管理している賃貸管理会社にとって、口座振替を利用することによる最大のメリットは、家賃の入金確認作業にかかる時間を大幅に短縮できることにあります。
例えば、銀行振り込みの場合、作業担当者は通帳とにらめっこしながら、誰から入金があって、誰から入金がないのかをひとつひとつ確認しなくてはなりません。
どうしても、銀行振込の場合だと不動産管理ソフトを利用していたとしてもそれなりの時間と手間がかかってしまいます。

しかし、口座振替の場合は、引落が自動的に行われ、収納代行会社から引落の結果(結果データと呼びます)が送られてくるため、すぐに滞納督促業務に着手することが可能になります。

また、入居者にとっても、銀行に振込に行く手間が省けることや、うっかりの支払い忘れを防ぐことができるというメリットもあります。
このように口座振替を利用すれば、賃貸管理会社としては家賃の入金確認が楽になり、入居者としては賃料の振込忘れを防ぐ事出来るため、高い家賃回収率を維持できる様になるのです。

口座振替のパターンについて

一言で「口座振替」と言っても、実はその内容はいくつか種類があります。

  • 家賃保証会社が口座振替を行い、収納代行も行う(保証会社代行収納)
  • 集金代行会社による口座振替サービス
  • 自社で口座振替を依頼するケース

1.家賃保証会社が口座振替を行い、収納代行も行う(保証会社代行収納)

家賃保証会社が口座振替を行い、契約者の口座残高が不足していて賃料を引き落とせなかった場合などでも賃料保証が付いているといったサービスです。
リクルートフォレントインシュアやオリコカードの家賃保証、日本賃貸保証株式会社のトリオなどがこのサービスの提供者として挙げられます。

また、滞納があった場合でも満額の賃料が入金されるので、家賃督促を行う必要もなく、非常に家賃管理の効率化について影響力の高いサービスと言えます。

2.集金代行会社による口座振替サービス

次に家賃保証はいらないけれど、口座振替は使いたいという場合に活用するのが、集金代行会社(収納代行会社)を利用する方法です。

集金代行会社が、金融機関に引落依頼を掛けて、その回収金額を指定口座に入金するという流れになります。
この場合、管理会社としては入居者に口座振替の依頼書を書いてもらい、収納代行会社に送ります。あとは、毎月振替依頼をすれば、代行収納会社から振替できた賃料が指定口座に入金されるようになります。
振替の結果データも収納代行会社から取得することが出来るため、家賃滞納者の特定もスムーズに行うことができます。

さらに、収納代行会社から取得できる振替結果データを不動産管理ソフトで読み込みができれば、さらに作業時間を短縮と確認ミスを減らすことに繋がってきます。

これらのサービスの提供者としては、アプラスやペイジェント、ジャックスなどがあげられます、

3.自社で口座振替を依頼するケース

3つ目は、金融機関へ自社から口座振替の依頼をかけるという運用です。
この場合は、金融機関に送る前入居者の振替依頼書の準備、回収、発送、更には毎月の振替希望者のリスト作成、金融機関への振替依頼、結果データの受取といった運用は管理会社が行う必要があります。
また、金融機関毎に他行間での振替に対応していなかったり、手数料が異なるなどの違いがあります。

毎月のデータ作成は煩雑な作業になりがちであるため、自社で口座振替を行う場合は不動産管理ソフトを活用してミスなく漏れなく行うことが必要となってきます。

一般的な口座振替を行う場合の手順

口座振替を行う際の手順は一般的に以下の通りです。

  1. 口座振替を実施する会社へ申し込み・審査
  2. 契約締結・口座振替依頼書の発注
  3. 各入居者に口座振替書へ署名・捺印してもらう
  4. 口座振替依頼書を口座振替会社・金融機関へ提出
  5. 口座振替実施

※口座振替依頼書を金融期間へ送付してから、実際に口座振替を実行できるようになるまで、1-1.5ヶ月程度の期間が必要となるため、それまで銀行振込をしていただくように契約者へ案内を行う必要があります。

口座振替にかかる費用について

口座振替に際して必要になる費用は、金融機関や収納代行サービスによって異なります。
(初期費用の有無や月額のコストの有無など)共通するのは口座振替依頼に対して、1件につき数十円〜数百円程度の振替手数料が必要となります。<.p> この手数料は管理会社と入居者どちらが負担するかは契約よる部分が大きいですが、一般的には入居者が負担する場合が多いです。

こんな人は口座振替の導入をおすすめ

では、どのような人が口座振替を導入することがすすめられるでしょうか?

これから管理会社をスタートする人

これから賃貸管理会社をスタートする場合は、口座振替を積極的に導入することをおすすめします。
新しく不動産管理会社様の場合、新規管理物件の獲得などの営業活動に時間を多く作りたくても、人員的な理由から事務作業等に追われてなかなか時間を捻出できないことも少なくありません。
口座振替を活用することで、特に時間をとる家賃の入金確認や滞納督促業務に割く時間を少なくし、作業効率をアップさせることが可能となります。

長期的に家賃回収を効率化(省作業・回収率UP)したい

既に複数のマンションやアパートの賃貸管理会社を運営されている場合でも、口座振替を活用することで、家賃入金確認の事務作業に必要な人員や時間を削減することができます。
また、入居者にとっても賃料支払を自動で行えるというメリットがあるため、長期的な入居期間のアップ、賃料回収率の向上、作業時間の短縮が見込めるでしょう。

口座振替を始めるにあたっての注意点

口座振替をはじめるにあたって注意しなければならないことは、口座振替は「よし、始めよう」と思ったその日に始めることはできません。
口座振替を使用するためには、金融機関や収納代行会社による審査を受ける必要があります。

審査後、入居者に振替依頼書を送付し、回収、金融機関や収納代行会社への送付というプロセスを経なくてはいけません。
そのため、一般的に申請から、実際の運用開始までは2ヶ月半〜3ヶ月程度かかることが多いです。

入居者が口座振替に協力的でない場合は?

入居者によっては。口座振替よりも銀行振込を希望する方がいる場合もあります。

  1. 口座振替手数料の支払いが嫌だ
  2. 口座振替依頼書を書くのが面倒くさい
  3. 個人情報を代行収納会社に預けたくない

などなど…様々な理由で口座振替の導入に反対される場合も想定しなくてはいけません。
そのため、口座振替をスムーズに導入するためのポイントをご紹介していきます。

スムーズに口座振替に切り替えるには?

方法は以下の3つが考えられます、

  1. 契約時に口座振替必須の物件と説明して強制的に加入してもらう
  2. 管理会社変更のタイミングで強制的に加入してもらう
  3. 口座振替で家賃回収する口座を新しく解説する

契約時に口座振替必須の物件と説明して強制的に加入してもらう

まず、一つの方法が入居時に賃貸借契約書にて、賃料の支払い方法を「口座振替」と指定するという方法があります。
口座振替を使用することを条件として、契約することでスムーズに口座振替依頼書を回収することが可能です。

「契約時」が一番書類回収がスムーズにいくタイミングであるため、契約時に契約書や重要事項説明書などど一緒に回収する業務フローをつくりましょう。

管理会社変更のタイミングで強制的に加入してもらう

次に管理するマンションやアパートが自社に切り替わったタイミングで一斉に口座振替に変えてもらうのも一つの手段です。
「承継同意書」や「管理会社変更のご案内」などと一緒に口座振替依頼書を送付してあわせて回収することをおすすめします。

口座振替導入について、「振込手数料と比較して安価に抑えられる」「毎回銀行に行く必要がなくなる」などの入居者にとってもメリットがあることを伝えて説得してみましょう。

口座振替で家賃回収する口座を新しく解説する

可能であれば、口座振替によって家賃回収する口座を新しく開設できれば「家賃」と「それ以外の入金」に分けることができるようになるため、入金確認や家賃管理業務を効率的に行うことができるようになります。

また、家賃回収口座を会社の口座と分けることによって、アパートやマンションの管理を任せてもらっているオーナーに対してもきちんと分別して不動産管理を行なっているということのアピールにも繋がります。

まとめ

ここまで、口座振替の概要と導入までの流れ、上手に口座振替を導入するポイントなどについて説明してきました。

口座振替を活用することで、家賃の入金管理、消込作業にかかる時間を大幅に短縮できるだけでなく、入居者にとっても振込の手間がなくなるため、双方にメリットがあるシステムだということがご理解頂けましたでしょうか?
また、口座振替には保証会社を活用する場合、収納代行会社を活用する場合など、いくつか種類があり、それによって運用方法が異なってくることも管理会社としては理解しておきたいポイントです。

口座振替には、導入までに時間が掛かること、移行期間中に口座振替と他の支払い方法が混在することで入金管理が複雑になること、などの問題点も存在します。
賃貸管理会社としては、高い家賃回収率を維持する為にも積極的に導入したいサービスであることは間違いありません。また、それらを効率よく管理していく方法の一つが不動産管理ソフトの活用でもあります。

一つ上のステップをいく不動産管理会社として、口座振替による家賃回収を検討してみるのはいかがでしょうか?

この記事は「クラウド賃貸管理ソフトReDocS(リドックス)」が運営しています。
私たちは、「不動産管理ソフトを活用することで解決できる課題」だけでなく「不動産管理に関わる全ての悩み」を対象として様々なことをお伝えしていきます。

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