先月、退去された契約者さんから退去後に発生している電気料金はそっちで支払うようにと連絡があったんです。
よくよく事情を伺うと、退去する時に電気会社に解約の連絡をし忘れていたみたいなんですが、向こうの言い分としては使っていない分を自分が払わないのはおかしい!という言うんです。
こんな時の電気料金やインフラの料金って誰がふたんするものなんでしょうか?
「退去時に電気の解約をするのを忘れていた。でも、私は使ってもいない分の請求が来ているからそちらが支払ってもらえますよね!」
数ヶ月前に引っ越した元住人さんから、突然こんなクレームの連絡がありました。
その部屋は現在空室ですが、退去時に電気会社に解約の連絡をするのを忘れてしまっていたようで、電気代を請求されてしまったようです。元入居者さんに解約しわすれたという落ち度はあるものの、実際には使っていないから、大家さんが支払うべきだと主張しています。
通常、空室物件の電気については停止手続きをしない運用の場合、内見時に使用した電気代などについては大家さんやマンション管理会社が対象不動産の管理者名義で契約して負担するのが一般的ですが、入居者が解約を忘れていた場合はどうなるのでしょう?
基本的に電気料金の支払い義務があるのは契約者です。
基本的なことですが、電気会社が利用料金を請求をするのはあくまでも「電気会社と契約をしている者」であるというのが大前提となります。つまり「誰が使用したか」は問題ではなく、「誰が契約をしているか」ということが今回のケースにおける重要なポイントです。
よって、今回のケースでは前賃借人(元入居者)が「解約することを忘れている」ため、電気会社との契約者は依然として「前賃借人」のままとなります。
このことから、賃貸管理会社にも大家さんにも、前契約者が解約し忘れてしまったことが起因して請求されている電気代を負担する必要はありません。
内見時の電気代を大家さんや不動産管理会社が負担するのはあくまでも、入居者が電気会社との契約を解除して、契約人を変更しているという前提が必要となります。
厳しい言い方になりますが、元を正せば解約を忘れた前賃借人の自己責任です。
毅然とした対応を取りましょう。
既に新しい入居者がいる場合の電気代の請求はどうなる?
では、対策不動産が空室ではなく、新しく入居者がいた場合はどうでしょう?
この場合は新しい賃借人が使用した電気代を前賃借人が肩代わりしているような状態になるので、金額はより大きくなります。こういったケースにおいて、賃貸管理会社や大家さんとしては何か対応することはあるのでしょうか?
結論から申し上げると、この場合も管理会社や大家さんが電気代金を負担する必要は全くありません。
前述の通り、電気料金の支払いの義務については、あくま電気会社の契約者にあるからです。
むしろ、こういった場合、現在入居している住人は電気会社へ利用開始の連絡などを何もしないで、ブレーカーだけ上げて無断使用している可能性が考えられます。
(仮に電力会社に連絡していれば契約を解除されていないことに気づく可能性が高いため)
上記のことから、仮に前賃借人から「自分が入居してもいない電気料金を支払うのはおかしい!」とクレームを受けたとしても、その問題については、「電気会社と前の入居者と現在の賃借人との間」で解決するべき問題であるとやんわり伝えるだけで良いでしょう。
※管理会社や大家さんの責務としては、
「新しい入居者には、電気会社に使用開始連絡を行うこと」
「前の入居者には、退去時にインフラ関連の契約を解約しておくこと」
をそれぞれ案内しておくことが求められます。
管理会社側でしっかりと説明や案内を行ったのに、それでも入居者が連絡を怠った場合に発生したトラブルについては、入居者自身で解決しなければならない問題であると言えます。
突き放した対応を行う必要はありませんが、変に下手に出て対応する必要ありません。
まとめ
今回は電気契約の解約忘れによるトラブルについてご紹介してきました。
賃貸のプロである大家さんや管理会社さんにとっては、退去や契約解約時に各インフラの提供先に解約(利用停止)の連絡を行うことはは常識といえる話です。
しかし、引っ越しに慣れていない方にとっては、解約時の手続きは初めての経験の場合もありますし、忘れてしまうという話もしばしば耳にします。
無用なトラブルを避けるためにも、退去立会いの際には室内のチェックだけでなく、電気や水道・ガスの解約完了していることを確認してあげるというのもいいかもしれませんね。
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