入居者クレーム対応

地震や落雷など自然災害時の入居者に対する損害賠償について

台風や地震、落雷などの自然災害が原因で貸室が利用不可能と成ってしまった場合の損害賠償などについて解説していきます。

台風や地震、落雷などの自然災害が原因で貸室が利用不可能と成ってしまった場合の損害賠償などについて解説していきます。

浸水被害で営業停止になった場合、補填しないといけない?
オーナーからの相談

この前の台風で、大きく浸水してしまったことで1階の店舗が一時営業停止になってしまったみたいなんです。
それで、営業できない期間については賃料の減額(免除)を相談されたんだけど、これはどう対応すべきなんだろう?

他にも、まだ言ってきてはいないけど、テナントが営業できなかった分の損害賠償とかも請求されてしまったらどうしよう。

「地震や台風などの自然災害が原因で、1階の店舗が営業停止を余儀なくされてしまった。この場合、賃貸人側は損害賠償の責任はあるのか?」

大家さんや不動産管理会社が善管注意義務を果たしてしっかりと管理していたとしても、台風や地震、落雷などの自然災害が原因で貸室が利用不可能となってしまうことは確率的には必ず存在します。

今回は、「地震によって、給排水管が破裂してトイレや給湯設備が利用できなくなってしまい、飲食店を経営している賃借人が1ヶ月間の営業停止をせざるを得なかった場合」の家賃支払い義務や営業停止による売上補填の損害賠償などについて解説していきます。

営業停止中の家賃支払い義務について

なんらかの理由で賃借中の貸室が利用できなくなった場合について見ていきましょう。
まず、家賃についてですが、賃借人(飲食店)は貸主に対して家賃の減額を請求する権利があります。

賃貸人(大家さん)は貸室を利用できるという前提で賃借人(飲食店)に賃貸しているため、その目的物が使用収益できない状況になってしまったということは、その目的を提供することができていないということになります。
提供している目的物が使用収益(ここでは営業)できないということは、賃貸人としての責任を果たせていないということになるため、賃借人は大家さんに債務の減額を請求することができます。

この点は、「賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる(民法611条1項)」と民法に記載されている内容となります。

つまり、貸室を利用できなかった期間の賃料を免除してほしいとテナントから請求された場合はそれに応じなければならない可能性が高いと言わざるを得ません。

では、1ヶ月分丸々減額しなければならないのかというと、そうではないケースがあります。
上記の民法の規定によれば、賃借人の賃料減額請求については「その滅失した部分の割合に応じて」とあります。これは、実際に利用できなくなったのはトイレや給湯設備などであり、他の事務所スペースや客室部分については一応は利用できるため、全額の減額請求については拒むことができる可能性があります。

営業停止による売上の損害賠償について

まず、貸主は賃貸物が使用収益できなくなった場合については修繕を行う義務が発生しています。
これは、その破損や毀損が天災等の不可抗力によるものであっても賃貸人は修繕義務を免れないとされています。

そのため、賃借人からの修繕要求に対して、即座に対応できずに被害が拡大してしまったり、営業再開が遅れてしまった場合などは修繕義務違反となってしまい、オーナーは飲食店にから営業利益の損害賠償を請求されてしまう場合があります。

「貸室を利用(営業)できなくなった = 営業補填」ということもありますが、対応のずさんさや復旧の遅れを指摘されることで大家さん側の義務違反(債務不履行)により損害賠償請求を行われてしまうという図式です。

上記のように、自然災害などの不可抗力で貸室の利用できなくなってしまった場合については、利用不可期間の賃料の減額や営業利益の補填などを求められるケースがあります。

今回のケースはあくまで一例として取り上げているため、実際に減額請求を受けた対応については法律の専門家の方と相談しながら、対応を進められることをおすすめします。

まとめ

ここでは、「自然災害時で賃借人が貸室を利用できなくなった場合の損害賠償や減額請求への対応」について解説していきました。

まず、賃貸人は賃借人が目的物を使用収益できるようにする責任があります。
天災など大家さんや不動産管理会社の責任ではない部分であったとしても、目的物を利用させるという責務が果たせていないとあれば、その分の減額請求について応じなければならない可能性があります。

また、賃貸人は直ちに故障箇所を修繕を行わなければ、通常営業を行っていれば得られていた分の営業利益の補填を求められることにもなりますので、賃貸人はその責務を果たすために対応しなければなりません。

編集・発行

ReDocS運営チーム(Bambooboy株式会社)

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