「水道が壊れてシャワーが使えないから今すぐ来て欲しい!!」
賃貸管理を行っていると様々なクレームやトラブルが発生します。
「設備・機械の故障」「近隣住民とのトラブル」「騒音トラブル」「漏水や建物劣化による被害」「いわれのないクレーム」など。そのクレームやトラブルの種類は多岐にわたります。
今回は、その賃貸管理トラブルやクレームについて紹介とその対応事例を紹介していきたいとおもいます。
【トラブル事例】エアコンや給湯器など建物設備が壊れた!
「家に帰ってシャワーを浴びようとしたんだけど、いくら待ってもお湯が出ない」
「エアコンの電源は入るんだけど風が全然でてこない」
マンションやアパートの賃貸管理を行っていると、入居者から突然こんな電話がかかってきます。
入居者からの連絡は解約か更新以外の場合、たいていの場合が急を要する場合が多く、この対応が遅れた場合、設備の故障以外の部分へのクレームに発展してしまう可能性が出てくるため対応には注意が必要となってきます。
設備の故障の場合、工事業者などに依頼して対応に当たってもらうことになりますが、この工事業者の出張費用や設備本体の交換費用は誰が負担するのかという所をまず押さえておかなければなりません。
基本的な考え方としては、原状回復工事にかかる費用の按分方法同様に、「経年劣化や自然損耗によって故障した場合は貸主(大家さん)負担」「故意過失によって故障した場合は借主(入居者)負担」と判断することができます。
つまり、入居者さんが「わざと(故意)」や「不注意(過失)」でその設備を故障させた場合を除いて、大家さんの費用負担によってその修理・修繕費用を負担することとなります。
一つ、注意する点としてはその設備の所有者が誰のものかというところにあります。
給湯器などのインフラ系の設備ではほとんどないことですが、エアコンや室内照明などの場合においてその確認が必要です。その設備が貸主から使用・収益の為に提供されている場合はその修繕の義務は大家さんが負います。しかし、そのエアコンが「入居者が購入して設置している場合」や「残置物を利用している場合」などでは、大家さんが修理する責任はありません。(特約事項がある場合は除きます)
部屋で入居者の携帯電話などが壊れたからといって大家さんが修理する責任はないという場合と同じです。
そのため、まず故障が発生している設備について対応の責任を負うものであるのかという確認が必要です。
修繕には時間が掛かるからこそ、スピーディーな一次対応が必要です
対応の為に工事業者を手配し、その結果、設備の交換が必要となった場合、不動産管理会社は大家さんの交換許可を得て交換工事の発注を行い、後日工事を行うという流れになります。
給湯器が壊れたなどの場合、大家さんが交換に対してNGを出すことはまずない状況ですが、大家さんの費用負担で交換工事を行う為、工事の発注には大家さんの了承がなければ動けません。(勝手に発注して金額だけ請求しても、大家さんと賃貸管理会社との間でのトラブルのもとになります。)
入居者に対して迅速な対応を行うために、不動産管理会社判断で工事発注できる金額をあらかじめ決めておくということも、賃貸管理サービス向上になるかもしれません。
このように、設備の故障の際には、入居者からトラブルの連絡を受けてから、すぐに問題の解決を行うことができない場合があります。
トラブル発生から修理対応までのなかで、どうしても対象の設備が使えないという期間が発生してしまいます。この期間については、入居者は非常にストレスを感じやすい状況となっているため、迅速かつ注意を持って対応しなければ二次クレームを発生させてしまい、最悪の場合、「使えなかった期間の家賃を割り引け」や「損害賠償を払え」などに拡大してしまう可能性があるため、十分なケアが必要となってきます。
しかし、逆にこのトラブルやクレームに対して迅速かつ誠意持って対応した場合、入居者に対して信頼や安心を持ってもらえる可能性もあります。
入居者にとって、普段連絡のとらない賃貸管理会社が自分が困った時に親身になって助けてくれるということは嬉しいことです。
トラブルやクレームをコミュニケーションのチャンスとして捉えることができれば、その対応についての姿勢を少し前向きなものに変えることができるのではないでしょうか?
まとめ
ここでは、「建物設備が故障した場合の費用負担の考え方」や「クレーム発生時の一次対応についてのポイント」などについて解説していきました。
設備交換や工事業者の出動などになった場合、必ず何かしらの「費用」が発生します。
クレームや設備異常時などには、迅速に対応することが重要ですが、対応にかかる費用は誰が負担するのかということを考えることも不動産管理会社にとって大切な内容です。
また、賃貸管理会社は大家さん(オーナー)と入居者の間に立って、それぞれの主張内容の調整を行わなければなりません。
実際の矢面に立って対応する不動産管理会社に何の決裁権もない場合については、入居者から何を言われても「オーナーに確認して返答します」という回答しかできなくなるため、ある程度の金額までは不動産管理会社自身で決済できるように取り決めをしておくことがスピーディーにクレーム対応する上でポイントとなってきます。
入居者からのクレームの中には管理会社にとってはいわれのないクレームの場合もありますが、入居者が困って不動産会社に連絡している場合がほとんどです。
マイナスからのスタートではありますが、入居者の問題を解決してあげれば、不動産管理会社への好印象になるケースも多々ありますので、頑張って対応する価値のある業務であるとも考えられます。
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