賃貸管理業務の効率化は可能?業務効率化に役立つシステムの選び方

システム導入を検討している方に向けて、不動産管理ソフトを導入する際に比較検討する機能やポイントを解説しています。

不動産管理ソフトを導入して業務を効率化

【1】不動産管理の現場が抱える問題

賃貸管理ソフトの提供を通してよく耳にする不動産管理の現場が抱えている問題点としては主に3点に分類されます。
その問題とは「業務内容の多種多様さゆえに起こる問題」「エクセルを使っての賃貸管理が起こす問題」「紙の書類がもたらす多額のコスト問題」です。

賃貸管理業務の業務内容が多種多様さゆえに起こる問題

まず、1つめの「業務内容の多種多様さゆえに起こる問題」から見ていきましょう。
業務内容は、以下のように多岐にわたり、他業種と比較しても社員一人あたりの負担がとても大きいという現状があります。

  • 家賃管理業務
  • 滞納督促業務
  • 更新契約業務
  • 敷金精算業務
  • クレーム対応
  • 更新契約業務
  • 原状回復工事の進捗管理
  • 管理契約の新規獲得営業
  • オーナーへの送金作業
  • 入居者やオーナーからのお問合せ対応

賃貸管理の現場においては、上記のような業務を、今いる少数のスタッフでなんとかこなしているというケースが多いようです。
しかし、少数のスタッフで不動産管理を行う場合に以下のような問題が発生することが考えられます。

  • 労働時間が長引き、スタッフのモチベーションが下がる。これにより、スタッフの定着率が低下する。
  • 煩雑な業務のなかでケアレスミスが多発し、家賃滞納者への対応漏れや契約更新者の抽出漏れ、クレームの対応漏れなど重大なミスを発生させてしまう。
  • 社内のタスク管理が充分に実施されず、今誰がなんの業務をどこまで進めているのかをすばやく把握することができない。また、これにより担当者不在時のスムーズが業務引継ぎが難しい。

エクセルを使っての賃貸管理が起こす問題

次に、「エクセルを使っての賃貸管理が起こす問題」です。
エクセルは、本格的な賃貸管理ソフトと比較すると導入が安価で、しかも家賃管理や更新管理、書類作成など様々な事務作業で活躍させられる便利なツールです。実際、かなり多数の管理会社様が事務作業のメインツールとしてエクセルを採用しています。
しかし、エクセルが事務作業におけるベストチョイスとなるのは事業の立ち上げから間もない時期や管理戸数が少ない場合に限られます。
何故なら、いつまでもエクセルで賃貸管理していると以下のような問題が発生するからです。

●情報量が増えると、見づらくなる
エクセルは、行が増えれば増えるほど見づらいレイアウトになっていきます。銀行の通帳を見ながら、エクセルに登録した入居者一人ひとりの入金消込をおこなっているケースでは、画面の見づらさから記入ミスをしてしまいがちです。

●情報量が増えると、ファイルが重くなる
エクセルにまとめた入居者や物件情報が多くなると、エクセル使用時の動作が重くなります。
ファイルが重くなると、突然動作が停止して、苦労して作業した内容がすべてなくなってしまい、作業し直さなくてはならないトラブルも発生します。

●エクセルのファイルが増えすぎて、必要なときにすぐ呼び出せない
エクセルのファイルが増えると、必要な情報にすぐアクセスできない問題が発生します。
忙しいからこそ、日ごろからエクセルファイルを綺麗にフォルダ分けしたり、ファイル名を明確にしておく余裕がなく、気づけばよくわからないファイルがたくさん増えてしまう、というのはありがちな問題です。

●同じような内容を何度も入力するのが面倒
エクセルで賃貸借契約書や重要事項説明書の雛形を用意しておき、新規契約のたびにそのひな形を開き、必要事項を入力する。そんな作業をしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、賃料や共益費、更新料など記入すべき共有の内容が複数あるにもかかわらず、何度も同じ内容をコピー&ペーストで入力しなければなりません。

すっかり当たり前になってしまっているかもしれませんが、忙しいときほど同じ内容を入力するのはストレスになるし、「人間がやらなくてもいいんじゃないか?」と感じてしまう面倒な作業です。

エクセルでの賃貸管理には限界があり、どんどん作業効率が落ちてしまうのでどこかの段階で賃貸管理ソフトの利用を検討することが必要となってきます。

紙の書類がもたらす多額のコスト問題

3点目に、「紙の書類がもたらす多額のコスト」について検討してみます。
今回例として想定するケースは、契約更新時のコストです。
入居者が契約を更新する際は、以下のようなコストがかかります。

●人件費
時給1,500円のスタッフが更新契約書1部を10分かけて作成した場合、かかる人件費は250円です。

●郵送費
更新契約書1部をゆうパックで送付する場合、郵送費は370円かかります。

●用紙代・印刷代・書類管理代等のその他費用
用紙そのものにかかるコスト、印刷第、管理にかかる人件費等をすべて足し合わせた額を100円とします。

すると、契約更新時の書類を1通送るだけで、なんと720円もかかってしまうことになります。
しかも、ご存じのように契約更新時に作成・送付しなければならない書類は1通ではありません。契約書は入居者・オーナー双方に送る必要がありますし、更新の案内書やオーナーへの報告書も作成しなくてはなりません。

そして、月々の更新対象は複数件ある場合がほとんどですから、先述したコストはどんどん膨らんでいきます。
契約更新の業務だけを見ても紙の書類にまつわるコストは膨大ですから、管理業務全体を見回すと書類作成に関するコストは尋常ではありません。

以上のように、賃貸管理業務にはその業務の性質ゆえ起きる問題が多く存在します。
こういった問題を解決して、賃貸管理業務を効率化することは可能なのでしょうか?

【2】業務効率化におすすめのツール

こういった問題を解決するのが、「不動産DX」です。
不動産DXとはすなわち、「IT技術を使って不動産業務に関わる課題を解決したり、新しいサービスを生み出す仕組み」のことです。
とくに管理業務の分野では、IT技術を使用して業務を効率化するシステムが複数あります。

だいたいの場合、管理業務を効率化するシステムは以下のように呼称されます。

  • 賃貸管理システム
  • 賃貸管理ソフト
  • 不動産管理システム
  • 不動産管理ソフト
  • 家賃管理ソフト

様々なシステムを比較検討する際には、上記のキーワードで検索すると賃貸管理業務を効率化するシステムを調べることができます。

とはいえ様々なシステムを検討していると、「どのシステムにも様々な機能があるようだけど、結局自社に適したシステムが何かわからない」という壁に衝突します。
そこで次項では、管理業務の現場で起きている問題別に検討するべき機能について解説していきます。

【3】賃貸管理を効率化するためのシステムを選ぶ際のポイント

1.家賃管理を効率化したい

賃貸管理業務において重要、かつ煩雑になりやすいのが家賃管理業務です。
紙の台帳やエクセルで家賃管理を実施している場合、起きやすい問題が

  • 家賃滞納者の抽出漏れを起こす
  • 入金消込に時間がかかりすぎる
  • 滞納督促の書類作成が面倒

という点です。
上記の問題別に必要な機能は、以下のとおりです。

  • 家賃滞納者を自動で抽出し教えてくれる機能
  • 家賃消込の大部分を自動で処理する機能

「ネットバンキング/ファームバンキング」との連携機能がこれに該当します。
例えばネットバンキングとの連携機能ですが、こちらはどういう仕組みかというと、ネットバンキングの家賃入金明細と、システムに予め登録されている入居者情報を照らし合わせ、自動で家賃の入金消込をおこなってくれるものです。

●滞納情報をもとに、瞬時に督促状を作成する機能
家賃滞納が起こったとき、とにかく重要なのは滞納者への迅速な対応です。なぜならこれを怠ると、滞納者は「ちょっとの滞納なら管理会社さんは何も言ってこないんだな。滞納しても問題ないかも」という認識になっていき、さらに滞納を繰り返してしまう可能性があるからです。
そのため、「滞納情報を迅速に把握できる機能」と「すぐに督促状を作成できる機能」を併せ持つシステムが理想となります。

家賃管理に関する問題を解決したい場合には、先述したような機能が備わっているかどうかを考慮して賃貸管理システムを選ぶといいでしょう。

2.書類作成にまつまる業務コストを削減したい

当記事【1】項の「不動産管理の現場が抱える問題」でも述べましたが、不動産管理においては書類作成業務のコストが膨らみがちです。
書類作成に関して以下のような問題を抱えている場合は、それに応じた機能があるのかどうかを賃貸管理システム選びのポイントにしましょう。

  • 契約書や重要事項説明書等の書類の雛形をエクセルで用意しているが、バージョンが更新されるたび雛型の種類が増えていき、今どれを使うべきなのかわからない。もしくは、使用する雛形を間違えるミスをしたことがある
  • 契約書や重要事項説明書は、賃料や共益費など共通の記入事項があるが、同じような内容を何度もコピー&ペーストしているうちにミスが発生する・ストレスがたまる・時間がかかってしまう

上記のような悩みを解決するのに必要な機能は、以下のとおりです。

  • 書類作成時、いつでも最新の雛型を使えるように、雛型をシステムに登録しておける機能
  • システムに登録されている情報を書類に反映させて、瞬時に書類を作成できる機能

3.契約更新業務を効率化したい

契約更新業務における問題は以下のとおりです。

  • 更新対象者を特定するのに時間がかかる
  • 時々、契約更新の対象者を見逃してしまう
  • 更新契約書や案内書、合意書の作成が面倒。時間がかかる
  • 更新のたび書類を何度も印刷し、郵送するのが面倒。
  • 更新書類の郵送コストがかさむ

とくに、書類の郵送にかかるコストの問題は悩みどころが多く存在します。
まず第一に、契約書類等を封入したレターパックに手書きで宛名を書いて、わざわざ郵便局の窓口や郵便ポストに赴くのが手間です。

第二に、封筒・用紙・印刷・保管にかかる費用が膨らみがちです。当記事の「不動産管理の現場が抱える問題」でも言及しましたが、書類1部を郵送するのにかかるコストは720円です。1件の契約更新で何度もこのコストがかかりますし、当然多くの会社様では月に複数件の更新があるでしょうから、コストはどんどん膨らんでいきます。

そして第三に、契約者が返送してきた書類の管理、返送状況の確認も手間です。
さらに、会社様によっては、書類作成後、社内の総務部等に捺印依頼書を出さなければなりません。もし書類にミスがあったら再度捺印依頼を出す必要があり、時間的ロスも大きくなります。

こういった問題をクリアするために必要な機能は、以下のとおりです。

●更新対象者を自動で抽出する機能
契約更新日が近づいたら、対象者を自動で抽出して教えてくれる。そんな機能があれば、特定作業が無くなるため見逃しミスも消滅します。

●システムに登録されている情報を書類に反映させて、瞬時に書類を作成できる機能
前項「書類作成にまつわる業務コストを削減したい」でも述べましたが、システムに登録しておいた情報を瞬時に反映、1クリックで書類を作成できる機能があれば作業時間を大幅に削減できます。また、システムが書類作成を担うため転記ミスも起こりません。

●電子契約を使える機能
先述したような郵送コストが発生するのは紙の書類でやりとりを進めること起きる問題です。つまり、更新契約を電子契約に置き換えれば、郵便局やポストに行く手間も、社内での捺印依頼に時間をかける必要性も、返送書類を管理する手間もありません。また、郵送費も消滅します。

●メールやSMSで更新案内する機能
更新案内についても、毎回紙の書類を送るのではなく、メールやSMSで実施できる機能が必要です。しかし、メールをひとつひとつ作成するのも手間になりますので、システムに予め登録されている情報をメールに反映し、瞬時に送信できるような機能が必要です。

4.オーナーへ送る精算明細の作成・送金作業の効率をあげたい

オーナーへ送る精算明細の作成、送金作業にまつわる問題は以下のようなものがあります。

  • 毎月、オーナーに送る家賃等の精算作業に時間がかかる
  • 精算したあとの明細書作成が大変。ミスできない業務に、かなりの神経をつかう
  • わざわざATMや銀行窓口に出向いて送金作業をするのが面倒

こういった問題を解決する機能は以下のとおりです。

  • 入居者から預かった家賃やその他料金をまとめて精算する機能
  • 精算情報をもとに、瞬時に明細書を作成する機能
  • WEB上で送金する機能

5.効率よく業務の進捗やクレームの管理したい

進捗管理やクレーム管理において起きがちな問題は以下のとおりです。

  • 担当者の不在時、引き継ぐ業務がどこまで進行しているのかわからない
  • クレーム対応履歴を充分に管理・共有できておらず対応漏れが発生する
  • 毎日、業務のどの工程が完了/未完了なのか確認するのに時間がかかってしまっている

こういった問題を解決するには、以下のような機能が必要です。

●スタッフそれぞれが抱えているタスクを管理する機能
スタッフそれぞれが自身の進捗を登録できるよう、複数人でログインできるシステムなのか確認しておく必要もあります。
また、業務が完了しているのかどうかを素早く確認できるレイアウトかどうか、という点も考慮してシステムを選びましょう。

●未対応のクレーム件数と、その内容を自動で教えてくれる機能

6.本当に使いこなせるシステムかどうかは効率化の重要なポイント

不動産管理ソフトを選ぶ際は、実際に管理業務に従事するスタッフが使いこなせるかどうかをチェックするのも重要です。
「不動産管理ソフトの導入を決めてみたはいいものの、実際に使用するスタッフの年齢層が高く、操作が難しくてシステムに慣れることができなかった」
「充実の機能を気に入って不動産管理ソフトを導入したけど、実際に導入してみたら操作画面が複雑で見づらく、ほとんどの機能を使いこなせなかった」
「全然使いこなせなかったから、実際に使っている機能はほんの一部だけなのが現状」
「効率下のために導入したけれども、使いづらくて逆に非効率になってしまった」
という声をよく耳にします。

不動産管理システム選びの前に、スタッフ全員に操作画面を見てもらったり、実際にお試し利用をしてもらうのがベストです。
そのためには、導入予定の不動産管理システムに「無料で試すサービスがあるかどうか」もシステム選びの基準にしましょう。

【4】まとめ

賃貸管理業務の現場で発生している問題の多くは、賃貸管理ソフト/システムで解決することが可能です。
システム選びの際は、実際に現場で起きている問題を整理して、その問題を解決できる機能が備わっているかどうかを確認しましょう。
また、スタッフが導入した賃貸管理システムを扱えそうかどうかも入念にチェックしておくことが重要です。

弊社の賃貸管理ソフト「リドックス」は、当記事で紹介したような問題をすべて解決し、業務の効率化を実現することができます。
また、見やすい画面やシンプルな操作が好評となっておりますので、気になった方はぜひお気軽にお問いあわせください。

この記事は「クラウド賃貸管理ソフトReDocS(リドックス)」が運営しています。
私たちは、「不動産管理ソフトを活用することで解決できる課題」だけでなく「不動産管理に関わる全ての悩み」を対象として様々なことをお伝えしていきます。

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