更新案内を送ったものの返事がないとき、困るのは回答が一件遅れることだけではありません。契約満了が近づくほど、更新条件の合意、更新料の請求、解約後の募集準備が同時に遅れ、管理会社は契約者とオーナーの双方へ経緯を説明しなければならなくなります。
「送付済み」のまま止めると、オーナーへの説明ができなくなる
たとえば、更新案内を郵送したあと、担当者が「返事が来たら処理する」と考え、回答期限を過ぎても確認していなかったとします。
契約満了の直前になって契約者へ連絡すると、「案内を見ていない」「更新後の賃料を初めて聞いた」「今から更新料を支払うのは難しい」と言われるかもしれません。一方、オーナーからは「更新するのか」「更新料はいつ入るのか」「解約なら募集はいつ始めるのか」と確認されます。
このとき、案内日しか記録がなければ、届いていなかったのか、条件への質問が止まっていたのか、単に回答を忘れていたのかを説明できません。オーナーにとっては、入金予定や空室対策を判断するための情報が不足した状態です。管理会社にとっても、契約者への再説明、オーナーへの報告、社内での経緯確認が一度に発生します。
案内の遅れは、更新料をめぐる交渉材料にもなる
契約者が更新料の支払いに納得していない場合、管理会社からの案内が遅い、条件の説明が分かりにくい、質問への回答がないといった事情を挙げて、「十分な説明を受けていない」「急に請求されても支払えない」と主張することがあります。
案内や確認が遅れたからといって、直ちに更新料を請求できなくなるわけではありません。更新料の扱いは契約条項や金額、更新の経緯などによって異なります。国土交通省の案内でも、更新料は法令上当然に発生する費用ではない一方、賃貸借契約に支払う旨の規定がある場合は、原則として支払いが必要になると説明されています。
ただし、契約上の請求根拠があることと、契約者が納得して期限どおりに支払うことは別です。案内日、提示した条件、質問への回答、再案内の履歴が残っていなければ、請求の説明に必要な材料が減り、話し合いが長引きやすくなります。一般的な契約更新の違いは、合意更新・法定更新・自動更新の解説もあわせてご確認ください。
更新業務には「3つの時計」がある
未回答案件を追うときは、期限を一つだけ見ないことが重要です。少なくとも、次の3つを分けて管理します。
| 時計 | 確認する期限 | 遅れたときに困ること |
|---|---|---|
| 契約の時計 | 契約満了日、解約予告、更新条件を確定する時期 | 条件交渉や解約後の準備に使える時間が短くなる |
| 契約者の時計 | 案内の到達確認日、回答期限、回答予定日 | 未着と検討中を区別できず、再案内の内容を誤る |
| お金の時計 | 更新料などの請求日、支払期限、オーナーへの報告時期 | 入金見込みを説明できず、請求や送金の確認が遅れる |
契約者向けの回答期限だけを登録しても、社内で確認する日がなければ、期限を過ぎるまで誰も動きません。「契約者の回答期限」と「担当者が未回答を確認する日」は別に設定します。
「返事がない」を4つの状態に分ける
未回答は一つの状態ではありません。どこで止まっているかによって、次の連絡内容を変えます。
| 状態 | 確認すること | 次の対応例 |
|---|---|---|
| 案内が届いていない | 宛先、郵便の返送、メールエラー、連絡先の変更 | 連絡先を確認し、電話や別の送付方法へ切り替える |
| 届いたが確認されていない | 案内ページの確認状況、長期不在、連絡しやすい時間帯 | 何の案内かを明示して到達確認を行う |
| 確認したが決められない | 賃料、期間、更新料、解約予定など迷っている点 | 質問を整理し、貸主確認が必要な項目と回答予定日を決める |
| 意思は決まったが手続きしていない | 回答方法の理解、必要書類、支払い、操作上の不明点 | 残っている手続きと期限を具体的に案内する |
再案内する前の5つの確認
- 契約終了日、更新可否、解約予告、回答期限が契約内容と合っているか
- 更新後の賃料、契約期間、更新料など、提示する条件が確定しているか
- 初回案内の日付、送付方法、宛先と、未着の兆候が記録されているか
- 電話やメールで受けた質問が、担当者の手元で止まっていないか
- 次回対応日、担当者、オーナーへ報告する条件が決まっているか
再案内では、初回と同じ文面をそのまま送るのではなく、対象契約、現在提示している更新条件、必要な回答、回答期限、問い合わせ先をまとめます。条件を変更した場合は、どこが変わったかも明示します。
記録するのは「連絡した回数」ではなく、次の判断に必要な事実
電話を3回かけたという記録だけでは、次の担当者は何をすべきか判断できません。連絡日時、手段、相手、確認できたこと、質問、次の約束、担当者を一組で残します。
また、更新回答を受けた時点を完了とするのか、必要書類の回収、更新料の入金、更新情報の登録までを完了とするのか、自社の完了条件も統一します。回答済みの案件と、更新手続きまで終わった案件を同じに扱わないことが大切です。
ReDocSなら「送信済み」の先を確認できる
ReDocSのメール・SMS送付オプションでは、更新対象の契約者へ、専用の回答ページのURLを含む案内を送信できます。管理画面では、契約者がそのページを確認した日と、更新・解約の希望を回答した日時を確認できます。
回答ページが未確認なら、宛先や到達状況を確かめて別の手段で連絡する。確認済みで未回答なら、条件への疑問や検討状況を聞く。このように、同じ「返事がない」でも次の対応を変える材料として使えます。
なお、画面上の確認日は、契約者が回答ページを開いたことを示すもので、内容を理解したことや更新条件への同意を証明するものではありません。確認状況と回答内容を分けて見ながら、その後の連絡や契約手続きを進めます。
更新メール・SMSオプションの詳しい流れを見る、または自社の更新フローに合うかデモで相談することができます。
