滞納している家賃を督促する際のトークスクリプトや注意点をご紹介していきます。家賃の滞納督促は、確実かつ迅速に対応して重度滞納の種を摘んでいくことが大切となります。
家賃督促業務をフロー図と共に解説しています。
滞納が発生してしまった場合はできるだけ迅速に対応を行っていく必要があります。
まずは、滞納督促業務の全体の流れから解説していきます。
業務の対応フローは以下の図をご参照ください。このフロー図をもとに各フェーズごとの説明を行っていきます。
※契約者+連帯保証人という契約形態を想定しています。(家賃保証会社を利用している場合は、期日までの事故報告等、保証会社と連携を取りながらの対応となります。)
まずは、家賃の滞納者がいるかどうかの確認が必要です。入金された家賃と契約者の当月の請求額を突き合わせて、家賃の入金状況を確認します。
振り込み忘れなどの軽度の滞納者については初動の未入金の連絡がポイントになるので、できるだけ早い段階で家賃滞納者の特定を行うことが望ましいです。
作業のポイント:「速やかな家賃確認」「正確性・確実性」
家賃の滞納者の特定ができたら、各滞納者に対して電話連絡を行います。
滞納が発覚してからは、連絡が取れるか家賃が入金されるまでは電話をし続ける必要があります。
※契約者のほとんどの方が何らかの仕事をされているので、お昼休みの12時や業務終わりの18時頃に連絡すると比較的繋がりやすい場合もあります。
滞納者に連絡が取れた場合は、「家賃が未入金となっていること」「いつまでに支払うことができるか」についてお伝えします。
ここでは必ず「いつまでに支払うか」について契約者と約束することが大切です。期限については、「明日」や「明後日」などできるだけ小刻みに期限を切っていきましょう。
家賃滞納が発覚してから、2〜3日電話をしても連絡が取れない場合は「家賃未入金のお知らせ(滞納督促状)」を契約者へ送付しましょう。
また、督促状を送付後も家賃入金が確認できるか、連絡が取れるまでは電話を続けるのが望ましいです。
督促状の送付や電話連絡した「対応履歴」を記録しておくことが必要です。万が一、裁判による立ち退きとなった場合、賃貸管理会社として適切な行動を行っているかについては重要なポイントとなりますので、面倒ですがきちんと行っておきましょう。
電話連絡を行う上で注意する点は、「毅然とした態度で接する」「常識外のことは行ってはいけない」です。
家賃滞納者だからといって、横柄な態度で高圧的に対応することは望ましくありませんが、変に下手に出てお伺いをたてる必要もありません。正当な理由を持って連絡をしているので、嫌な顔をされたとしても、きっちりと支払い期日などは設定していかなければなりません。
また、「いきなり勤務先に電話する」「深夜に連絡する」などの督促行為は行ってはなりません。未納家賃の請求という正当な理由があるとしても、滞納者の私生活や仕事の妨げになることは禁止されていますので対応には注意が必要です。
作業のポイント:「入金期限を設けること」「対応履歴を残しておくこと」「毅然とした態度で接すること」
電話連絡や督促状の送付によって設定した「滞納家賃の入金期日」までに入金があったかどうかを確認します。
ここまで行っても、「連絡が取れない」や「家賃の入金がない」という場合は現地入居状況の確認や連帯保証人への連絡が必要となってきます。
まずは、実際に入居しているのかどうかの確認を行いましょう。
確認するポイントは、「電気メーターが回っているか」「郵便ポストの中身は回収されているか」です。
電気メーターも回っておらず、郵便ポストも散乱しているというような場合はすでにもぬけのから(夜逃げなど)となっている状況が想定されます。
さらに、連帯保証人に対してもアプローチを行います。
連帯保証人に連絡が取れた場合は、「家賃が未入金であること」「契約者と連絡を取ることができないこと」「このままだと、連帯保証人の方に支払ってもらうことになること」といった状況を説明します。可能であれば、連帯保証人から契約者に連絡を取ってもらうなどの協力を要請しましょう。
また、「現地確認」や「連帯保証人への連絡」などを行った内容については対応履歴として残しておきましょう。
どこかの段階で連絡が取れた場合は、「滞納理由」「いつまでに支払うことができるか」を必ず確認します。
この段階まで連絡が取れない、または、家賃入金がない場合はなんらかの事情を抱えている可能性があります。家賃分割支払いのお願いを滞納者からされるかもしれませんが、その場合は覚書を締結していつまでに完済するかなどを必ず書面で残しおくことが必要となります。
この段階で、全く回答がない(できない)場合は、法律の専門家(弁護士や司法書士)の方への相談を検討する必要が出てきます。
作業ポイント:「対応履歴は確実に残す」「イレギュラー対応は覚書(書面)に残す」「継続的に連絡を続ける」
ここまで、対応して「連絡が一向につながらない」「家賃の支払いがない」場合は、明け渡し訴訟を視野に入れた対応が必要となってきます。引き続き連絡を行うとともに、「契約者」と「連帯保証人」に対して、配達証明付き内容証明郵便による請求書を郵送します。
この請求書には、請求通りの金額の支払いを求めるとともに、支払いがなされなかった場合は、賃貸借契約の解除を行う旨を記載しましょう。
この段階においては、家賃滞納額は2ヶ月分になっているため、契約時の解除も視野に入れながら対応していく必要があります。
また、内容証明郵便を送付しても受け取らないという場合もあるため、受け取りがなされなかった場合は次の手段を考えていかなければなりません。この段階において、全く連絡が取れなかったり、内容証明郵便も受け取りがなされなかった場合は、裁判所への訴状の提出とともに、公示送達の申し立てなど管理会社自身でも実施は可能でありますが、この段階まできてしまった案件については弁護士などに相談されながらの対応をお勧めします。
作業のポイント:「内容証明郵便の送付」「対応履歴の取りまとめ」「法律家への相談」
ここからは、家賃滞納が発生した初回連絡時のトークスクリプト(会話例)を紹介していきます。
管理業務の参考になれば幸いです。
※ここで、振込期日を念押しする。
電話対応時に契約者から「すぐに対応します」や「これから対応しておきます」といった形で返答されて、安心してしまって会話を終了してしまいがちです。
しかし、「すぐ」や「これから」というのは、期日を約束しているようでしていません。「すぐに」といっても、今日なのか明日なのかは本人次第です。
そのため、「すぐに」や「これから」と言われた場合は復唱するような形で具体的な期日(何日までに)を共通の約束としてしておく必要があります。
しっかりと具体的な期日を決めておくことで、約束した日までに家賃の入金がなかった場合に追求することができるので、期日などは曖昧なまま会話を終わらせないように気をつけることが大切です。
ここまで、家賃滞納が発生してしまった場合の対応フローや連絡時のトークスクリプトについて解説してきました。
家賃締め日から1週間以内に対応が完了できた場合はそこまで大きい問題ではありませんが、家賃滞納が頻発しているなどの場合は少し注意が必要な契約者であると認識を強める必要があるかもしれません。
また、一連の督促業務において実施した対応履歴は必ず記録しておくことが求められます。重度滞納からの明け渡し訴訟、強制執行などの場合はもちろんのことですが、軽微な滞納であっても履歴を残しておくことで社内での引継ぎや状況共有をスムーズに行うことができます。
今回は家賃滞納についてのフローや注意点を解説していきましたが、これの前段階である入居審査においてしっかりと選定(スクリーニング)しておくことが大切です。
次回は、「契約の更新管理について」について解説していきたいと思っています。
文: Bamboooby株式会社 代表取締役 高田 圭佑
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ReDocS サポートチーム | TEL:0422-27-1638 MAIL:info@bambooboy.net |
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